けれども、学生ローンと決定的に違うのは、奨学金は保証人が必要になることです。
将来的に経済的に立ち行かなくなるリスクは誰にでもあります。
ふとしたことがきっかけで会社が倒産することもありますし、何らかの事故の責任で多額の負債を抱えてしまうこともあります。また、就職氷河期に入ってしまうと就職自体が困難になりますし、社会人になってからも、リストラのリスクもあります。
その際の救済策として自己破産の制度が設けられているわけですが、保証人がいる場合は、お世話になった人に迷惑をかけられないという心理が働き、一生、高額な返済を続けていかなくてはいけません。
学生ローンの場合は、原則として保証人が不要ですので、どうしても立ち行かなくなった際には、自己破産で再スタートをすることもできます。けれども、奨学金の場合は、保証人がいるため、いかなる状況になっても払い続けていかなくてはいけません。
また、金額自体が高額になるため、利息分のみでもかなりな金額になります。加えて、延滞金や取り立てもかなり厳しいです。
年率10%の利息がかかるため、仮に500万円の奨学金を受けているとすると、利息分のみで年間50万円がかかります。消費者金融の利息は、限度枠いっぱいを借りても、せいぜい年間5〜6万円程度ですので、約10倍の高額な利息が奨学金にはかかることになります。
学生ローンや消費者金融が仏様に見えるような、まさに借金地獄の状態になるわけです。
まだ20歳かそこらの若いうちに、うっかり奨学金に手を出してしまうと人生を棒にふることにもなりかねません。
「奨学金」といえば聞こえはいいですが、結局は国が制度としてやっている目的別ローンにすぎないことが見えていないと、安易にかりるとあとで後悔することにもなりかねないです。
日本学生支援機構のIR情報などを見ればわかりますが、奨学金は利益率の高い安定した投資対象ですので、利益を対象にしている投資商品にすぎません。へんに学生のためという大義があるため、貸し倒れのリスクの低い商品になっているわけです。
200万円程度の金額でしたら、消費者金融でも低い金利の業者は無数にありますので、できれば学生ローンを利用するようにしましょう。